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アサギマダラ

4セットめの抗がん剤投与のための入院で駅に向かう。
改札口を通ると、階段脇の窓でバタついているアサギマダラを見つける。他の気がついた人たちは、避けるように早足に通り過ぎる。暫く待ってみたが、蝶は人の気配を察して下に降りてこない。各駅停車の到着アナウンスが流れ、私も足早に階段を降りる。
しかし、…… 頭の隅でパタパタといつまでも羽音が止まない。結局、この電車を乗り過ごし階段を昇る。
帽子を何度か投げている内に、手の届くところに降りてきたところを無事捕獲する。アサギマダラは上下の羽の色がツートンカラーの美しい蝶だ。子供の頃森の中で見た乱舞の光景が忘れられない。
この蝶は長距離を旅する蝶としても知られている。春から夏にかけては北東へ、夏から秋には南下する。1000キロの海上を渡ることもあれば、山形県蔵王山から沖縄県与那国島まで2246キロを移動した記録もある。しかし、なぜ移動するかは分かっていないようだ。
この地図を見ると、私の田舎である渥美半島は渡りの中継地点になっているようだ。
ホームから放つとあっという間に空高く飛び去り、上昇気流に乗って旋回を繰り返し、やがて見えなくなった。マダラチョウ科の飛び方は実に優雅である。

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