こどもの時間
小さな子どもと付き合うには、生半可な気持ちでは太刀打ちできない。連射される質問に、凝り固まった常識を捨てて相手以上の妄想で対応しなくてはならない。
「もしアオムシさんがジイジのお花のはっぱを食べにきたらどうする?」
「一日一枚ならいいよって言ってやるよ」
「でも、もし二枚食べたらどうする?」
「約束を破ったから、多摩川の草むらに置いてくるよ」
「それでもまた戻ってきて、言うこと聞かずにムシャムシャ食べてたら?」
「近くに駅の無い、遠い遠いところの森に置いてくるよ」
「誰かのからだにのって、電車に乗って、やっぱり戻ってきたらどうするの?」
「…………」とエンドレストークは続く。
SIGMA DP2 Merrill