芭璃旅後記−2
バリの観光地は今、どこも明るく喧噪に満ちている。20年ほど前は、ウブドのプリアタン村で踊りを見た帰り、懐中電灯片手に宿まで帰ったことがあったほど暗かった。あの青白い蛍光灯はまだ少なく、数十ワットの裸電球がポワッと暗闇に浮いている…そんなロスメン(民宿)のベランダで、沈み行く三日月をうっとり観ていた。テガラランに借りていた芭璃庵では、夜には本も読めないほどで、停電もよくあり、蝋燭が必需品であった。しかしその暗さが何とも心地よかった。アバビ村まで来るとあたりは暗く、天気がよければ満点の星が天上に煌めき、天の川が流れる。
宿から15秒シャッターを開け撮影。遠くの街明かりが雲を照らす。
SIGMA DP2x