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Snapshot -調布-

京王線調布駅が地下に潜って、昔住んでいたこの街の風景がまた変わっていくようだ。都市開発は、駅の近くに大きな商業ビルができると、そこから周辺に向かってアメーバ状に広がってゆく。緑豊かな土地も容赦なく食いつぶして…。
線路の沿って歩いて行くと、新設された駐車場やアパート群に挟まれて、昔ながらの農家の庭がある。梅や桜、椿にミカンと、様々な樹が茂り、その下でおじいさんがプラケースに座って日向ぼっこ中。

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田舎の庭にある梅の剪定見本にと、きれいに切り揃えられた枝振りを見せてもらう。もう蕾が膨らみ始めている。ピラミッドの山は、切り取った枝を粉砕したもので、これはまた土に戻すらしい。
おじいさんが僕を手招きして、突然「ちょっとここに座って待ってろ」と言い残してスタスタと奥へ消える。言われたようにプラケースに座る。足元が当たり前に土なのがうれしい。電車が走り過ぎると、あたりは静かになってなんとものどか。木々に囲まれた景色はどこかの田舎に居る気分。

袋を持って帰ってきたおじいさん。「庭になった柚だ。持っていきな」と手渡される。

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聞けば今年八十九歳。僕が「家まで歩いて帰る途中です」と言うと、「歩くのが一番さ。我が家の敷地は玄関から道路までちょうど250歩なので、計算が楽でいいよ!」と笑う。「昔、中国の大地を歩兵として歩き回ったから、今考えれば、それで足腰がしっかりしているのかも知れねいなあ」とおっしゃる。

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Akira

このカットだけ見ると、長野の山奥に行ったような感じですね。
by Akira (2013-01-31 15:36) 

spoonful

そうですねAkiraさん。座った視線だと、自然に包まれていい気持ちです。梅が咲く頃、この写真をプリントして届けようかと思っています。
by spoonful (2013-01-31 20:49) 

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